Visa、デジタルカード管理の新機能を発表 金融機関のサービスを通じて顧客に提供
05/11/2017
新しく追加された一連の機能により、イシュアがカード保有者に提供するカード管理機能が向上
カード保有者はカードへのアクセスの追加、閲覧、管理、共有が可能に
2017年5月4日、米国カリフォルニア州サンフランシスコ —Visa Inc.（NYSE：V）は本日、カスタマイズされたデジタルカード管理体験を顧客に提供するために提携金融機関と協力していくことを発表しました。IoTが拡大するにつれ、消費者は、より多くの場所で、自身のカード情報を登録し、定期的な支払いを設定するようになっています。消費者に対してより高い視認性と管理機能を提供する目的で、Visaはいくつかの既存の機能を補完する、強化された新機能を開発中です。これらの機能は、オンラインやモバイルバンキングを通じて提携イシュアからカード保有者に提供されます。この新機能を導入することで、イシュアはVisaカード保有者に対してVisaのデジタルカードを使用し、誰が、どこで、どのような支払い方法を用いることができるかといったより優れた管理機能や知見を提供できるようになります。
今回の新機能は既存のVisaトークンサービス（VTS）に追加され、イシュアがVisaカード保有者にカスタマイズ可能な一連のサービスを提供できるようにするものです。Visaトークンサービスは、16桁のカード番号や有効期限、セキュリティコードといった重要なカード情報をトークンと呼ばれる一意のデジタル識別子に置き換えることで、実際のカード情報を開示することなく決済処理を可能にします。
消費者の視認性および管理機能を向上させる新機能
提供予定の新機能、「Visaネットワークハブ・プッシュプロビジョニング」は、Visaトークンサービスのネットワークに接続するトークンリクエスターに対してひとつの統合点を設定することで、イシュアのプッシュプロビジョニング機能へのアクセスを簡略化します。イシュア側でこの機能を導入すると、イシュアのモバイルバンキングアプリやオンラインバンキングを通じて、Visaカード保有者は自身のデジタルのカードをVTSトークンリクエスターへ簡単に追加することができます。これは、銀行を利用する消費者が、デジタルウォレット、カード・オン・ファイル（カード情報を登録済みの）加盟店、eコマースを可能にするサービス、IoTプロバイダーなどに個別に申し込む必要がなくなることを意味します。例えば、新機能では、金融機関から新しいVisaカードを受け取った顧客に対し、カードを郵送で受け取る前に、当該の銀行のモバイルアプリにログインし、新しいカードの詳細情報をデジタルウォレットやネット上の加盟店に紐づけることができます。
さらに、「Visaネットワークハブ・プッシュプロビジョニング」をコンシューマー・トランザクション・コントロール（Consumer Transaction Controls）とペアリングさせると、カード保有者はこれまでにない利用体験ができます。例えばイシュアは、デジタルウォレット、カード・オン・ファイル加盟店、eコマースを提供するサービスやIoTプロバイダーなどを通じて、カード保有者がカードへの制限付きアクセスを他のユーザーに付与できるようにすることが可能です。その際、当該のカード保有者は、子供や介護者といった信頼できる個人に対しデジタルカードという形でアクセスを付与し、実際のカードへのアクセスやアカウント情報のすべてを知らせることなくオンライン上やモバイルウォレットを使用したショッピングが可能となります。
Visaイノベーション・戦略パートナーシップ担当エグゼクティブバイスプレシデント、ジム・マッカーシー（Jim McCarthy）は次のように述べています。「消費者によるインターネットの利用が深まるにつれ、カード保有者がデジタル決済活動をひとつの場所で集中管理できることの重要性がますます高まっています。こうした新しい機能により、提携する金融機関はデジタル決済を行うカード保有者に対し、向上した管理機能、より詳細な使用状況の情報、強化されたセキュリティを提供できるようになります。」
さらにVisaは、カード利用者の情報が登録された加盟店についての詳細情報をイシュアに提供する、新しい「Visa Card-on-File Data API」も開発中です。これは、取引履歴を読み込み、オンライン支払システムや定期購読といった登録されたカード情報による取引を特定し、カード保有者にカード情報の保存先についてより詳細な情報を提供するものです。さらにイシュアは、期限切れや紛失などにより顧客のカードが再発行された際、どこでカードが更新されたかといった情報を受け取ることができるようになります。
これらの新機能は米国、オーストラリアにて2018年に提供開始の予定です。
ビザ・ワールドワイドについて
ビザ・ワールドワイド（以下、Visa）は、世界規模のペイメントテクノロジーを提供する企業です。世界の200以上の国と地域において、迅速、安全かつ信頼のおける電子決済で消費者、企業、金融機関、政府機関を結ぶ役割を果たしています。毎秒65,000件を超す取引を処理できるVisaNetは世界でも最先端の情報処理ネットワークで、電子通貨の基盤であると同時に、消費者を詐欺や不正行為から守り、加盟店への確実な支払いを可能にしています。Visaの事業の特色として、カード発行、融資、会費や利息の設定を消費者に直接行わないことが挙げられます。Visaは取引先金融機関を通じて、デビットカードによる即時決済、プリペイドカードによる事前決済、クレジットカードによる事後決済といった多彩な選択肢を提供しています。詳しくはwww.corporate.visa.com（英語サイト）またはwww.visa.co.jp（日本語サイト）をご覧ください。