Visa、人工知能の活用で、約250億ドルの詐欺被害を防止

06/19/2019

*本リリースは 2019 年6 月17 日米国にて発表されたリリースの抄訳です。

ご参照: https://usa.visa.com/about-visa/newsroom/press-releases.releaseId.16421.html

 

決済にAIをいち早く導入して以来、Visa Advanced Authorizationで進化を続け、

さらなる信頼性を加盟店や消費者に提供

 

2019年6月17日Visa Inc.(NYSE:V)は本日、人工知能(AI)を活用するVisa Advanced
Authorization(VAA)による金融機関の詐欺被害の抑止効果が、年間で推定250億ドル以上に達し、加盟店や消費者のためのより安全なグローバル決済エコシステムの実現を可能にしているという新たな解析結果を発表しました[i]。VAAはVisaのグローバル決済ネットワークVisaNetにおける取引承認をリアルタイムに監視、評価する包括的なリスク管理ツールで、金融機関は新種の不正パターンや傾向を迅速に特定し、対策を行うことができます。昨年VisaNetで処理された加盟店と金融機関の間の取引件数は1270億件に達しています。金融機関が不正な取引を迅速に特定、防止しながら、正当な利用を承認できるよう、全取引をAIにより1件あたり1ミリ秒の速さで、すべてのVisaNet取引を解析しました。

 

Visaのシニアバイスプレジデントでデータ・リスク・アイデンティティ・製品ソリューション担当グローバル責任者のMelissa McSherryは、次のように述べています。「取引処理に影響を与えることなく、カード会員による正当な取引と詐欺師の不正な取引を見分けることは、決済における困難な課題の一つです。Visaは1993年に決済ネットワークとして初めて、取引リスク度合いのリアルタイム解析にニューラルネットワークに基づくAIを導入し、またたく間に不正取引に対する効果を発揮しました。AIの新たな革新によりその可能性が拡大する中、当社は人間の専門性と技術革新をバランスよく活用することで、対応力を引き続き強化します。」

 

金融機関にとって決済処理のフリクションはカードの放棄に繋がりかねません。Javelin Strategy & Researchの調査では、誤ってカード利用を拒否されたカード会員の半数以上(51%)が、2枚目の決済カードを使用して同一店舗での購入を完了しており、競合他社のカードがメインカードとなる原因となっています[ii]。一方で、このようなストレスを回避するために不正の特定や防止が犠牲になるようなことがあってはなりません。National Retail Federation and Forresterの調査では、回答した店舗の55パーセントが、決済関連の最大の課題は不正利用であると答えており、一番の問題となっています[iii]。

 

Visa Advanced Authorizationは不正取引を防止し、金融機関や加盟店は不正リスクを抑制できる一方、カード会員にとっては真正利用阻害によるストレスの減少に繋がります。Visa Advanced Authorizationは129カ国の8,000社以上の金融機関に導入されています。

 

光速に迫るスピードで不正を防止

VisaはAI基盤に潜在的な不正利用を特定させるため、人の脳をモデルにしたニューラルネットワークをいち早く導入しました。これまで分からなかった相関関係が明らかになり、より迅速に深い洞察を得ることができます。Visa Advanced Authorizationを通して、加盟店や金融機関が得られる利点は以下のとおりです。

機械学習モデルにより、行動、パターン、500種類以上のリスク属性などの不正利用の指標をリアルタイムに各取引につき約1ミリ秒で評価します。 リスクスコアをカード発行会社と共有することで、取引の承認、拒否を判断することに加え、カード会員への対応のため取引にフラグを立てることができます。

 

新規の顧客や利用頻度の低い顧客であっても正当な取引であることを特定し、取引が誤って拒否されてしまう可能性を低減させます。不正を検知、防止するための統合されたグローバル予測解析により、リアルタイムの承認を実現します。

 

 

Visaは、人間の知能とAIのような技術に同時に投資する多角的なアプローチにより、世界の不正利用の発生率を0.1%という史上最低水準に維持しています。消費者や顧客を巻き込んだリスクマネージメントツール、リソース、制御機能を提供することに加え、管理手法を策定することで企業や規制当局による素早い対応を実現します[iv] 。

 

McSherryは、次のように述べています。「Visaは、金融サービスや決済の領域で最も信頼できる決済ネットワーク企業として消費者から認識されています。これは、不正利用の排除、決済エコシステムの保護に注力する当社のたゆみない取り組みの結果であると考えています。」[v]  

 

AIを活用したその他のリスク関連ソリューション

Visaは日々、決済エコシステムを保護するためにセキュリティーの確保に努めており、リスク関連の一連の製品やサービスを提供して、消費者、加盟店、金融機関が不正を未然に防ぐことができるよう支援しています。これにはVisa Risk Manager (VRM)、Visa Consumer Authentication Services
(VCAS)、CyberSource Decision Manager (DM)などがあります。Visaのリスク関連ソリューションについて詳しくはVisaセキュリティーをご覧ください。

 

 

関連情報

Visaが人工知能によりどのように決済承認を向上させているかを動画で紹介していますのでご覧ください。Visaセキュリティーについて詳しくはVisaニュースルームアンカーテキスト、Visaブログをご覧ください。Visaセキュリティーの最新情報はLinkedIn、Twitter、YouTubeをご覧ください。

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Visaについて

Visaは、電子決済の世界的リーダーです。Visaのミッションは、最も革新的で信頼性が高く安全な決済ネットワークで世界を結び、個人や企業、そして経済の繁栄に貢献することです。Visaが保有する最先端のグローバルなプロセシングネットワークであるVisaNetは、毎秒65,000件を超す取引を処理することができ、世界中に安全かつ信頼のおける電子決済を提供します。Visaは常にイノベーターであり続け、あらゆるデバイスを利用した商取引の発展を促進し、誰でもどこでも利用できる夢のキャッシュレス社会を実現する原動力となっています。世界がアナログからデジタルに移行しつつある今、Visaは自社のブランド、商品、人材、ネットワーク、および企業スケールを活かして商取引の未来を形作っていきます。詳しくは、https://usa.visa.com/about-visa/our_business.html(英語サイト)またはwww.visa.co.jp(日本語サイト)をご覧ください。


[i] 2019年4月30日までの12カ月

[ii] Kyle Marchin、Al Pascual(Javelin Strategy & Research)「Addressing the
Threat of False Positive Declines」2018年10月17日

[iii] Brendan Miller(Forrester主席アナリスト)「The State of Retail Payments Report – Outlook for
2019」2018年11月

[iv] Visa Inc.「Visa Global Fraud Data」2019年4月

[v] Peter Reville(Mercator Advisory Groupプライマリーデータ担当ディレクター)「Omnichannel
and Branch: The Current U.S. Consumer Banking Environment」2019年3月