会社経営には様々な課題がつきまといますが、真っ先に挙げられる課題は、会社の活力源であるキャッシュフローの管理です。多くの企業はキャッシュフローの重要性を軽視し、利益を上げている限り、会社は生き残り成長すると考えがちです。しかし、賃金、家賃、在庫、公共料金といった出費は定期的に発生しますので、十分なキャッシュフロー無しでは、事業は、たち行かなくなり倒産してしまいます。
キャッシュフローの管理は、とりわけアジアの企業にとっては重要な課題であり、PwCのグローバル調査を見る限り、アジアはネットベースでの運転資金で、世界で2番目に効率の悪い地域です。つまり、他の地域と比較すると、アジアの会社は運転資金の資金化に世界で2番目に時間がかかっており、会社のお金を長期間にわたって動かせず、日々の事業運営や成長に悪影響を及ぼしていることがわかります。アジアで事業を営む企業の平均的な姿から、この事実が明らかになったわけですが、その一方で、アジア企業には、流動性を向上させることで、企業価値を改善し、創出する大きな機会が存在します。